矯正治療中に歯ぎしりや食いしばりが気になる方へ
矯正治療中の患者さまから、
- 歯ぎしりをしていても大丈夫ですか?
- 食いしばりがあると装置に悪影響はありますか?
- 朝起きると歯が疲れている感じがします
- 矯正中は歯ぎしり対策をした方がいいですか?
といったご相談をいただくことがあります。
歯ぎしりや食いしばりは、矯正治療をしていない方にも見られるものですが、矯正中は装置が入っていることもあり、いつも以上に気になりやすいテーマです。
結論からお伝えすると、矯正治療中でも歯ぎしりや食いしばりが起こることはあります。
ただし、その状態を放置するのではなく、必要に応じて確認しながら対策を考えていくことが大切です。
この記事では、矯正治療中の歯ぎしり・食いしばりで気をつけたいこと、装置や歯への影響、日常生活の中でできる対策、そして必要に応じた医療的な対応について分かりやすく解説します。
矯正治療中でも歯ぎしりや食いしばりは起こりますか?
はい、起こることがあります。
歯ぎしりや食いしばりは、
- 寝ている間の無意識の歯ぎしり
- 日中の食いしばり
- 緊張したときの噛みしめ
- 集中しているときの無意識の力み
など、さまざまな形で起こります。
矯正治療中だから急に始まるというより、もともとあった歯ぎしりや食いしばりに、装置が入ることで気づきやすくなることもあります。
例えば、
- 装置が入ってから噛む力を意識するようになった
- 朝起きたときの違和感が気になるようになった
- 食いしばったときに装置の存在を感じやすい
といったことから、矯正中に「自分は歯ぎしりや食いしばりがあるかもしれない」と気づく方も少なくありません。
歯ぎしりや食いしばりがあると矯正治療に影響しますか?
歯ぎしりや食いしばりがあるからといって、すぐに矯正治療ができないわけではありません。
ただし、状態によっては注意して見ていく必要があります。
歯ぎしりや食いしばりでは、歯や顎に強い力がかかることがあります。
矯正治療中は歯が動いている途中でもあるため、普段より歯や周囲の組織に意識が向きやすい時期です。
そのため、
- 歯が浮くような感じが強くなる
- 朝起きたときに噛み合わせの違和感がある
- 顎が疲れやすい
- 歯がしみるような感じがある
といった症状が気になることがあります。
ただし、こうした症状の出方には個人差があり、すべての方に強い影響が出るわけではありません。
大切なのは、「矯正中だから絶対に問題が起こる」と考えるのではなく、気になる症状があれば相談しながら様子を見ていくことです。
装置が壊れたり外れたりすることはありますか?
強い歯ぎしりや食いしばりがある場合、装置に負担がかかることがあります。
特にワイヤー矯正では、
- 装置の一部に強い力が加わる
- ワイヤーが変形する。折れる。
- 装置が外れやすくなる
といった可能性がゼロではありません。
また、マウスピース矯正でも、強い食いしばりによって装置への負担が大きくなることがあります。
ただし、これも必ず起こるわけではなく、装置の種類や歯ぎしりの強さ、噛み合わせの状態などによって異なります。
「矯正中に歯ぎしりをしているかもしれない」
「装置に負担がかかっていそうで心配」
という場合には、自己判断で放置せず、一度相談することが安心につながります。
歯そのものや歯槽骨への影響はありますか?
歯ぎしりや食いしばりでは、装置だけでなく歯そのものや、歯を支える歯槽骨にも負担がかかることがあります。
例えば、
- 歯に強い力がかかる
- 歯の表面がすり減る
- 歯のまわりの組織に負担がかかる
- 顎の筋肉が疲れやすくなる
といったことがあります。
矯正治療中は、歯を少しずつ動かしている時期でもあるため、普段以上に噛む力や違和感に敏感になりやすいです。
だからこそ、歯ぎしりや食いしばりが強い方は、単に「癖だから仕方ない」で済ませず、治療の進行に合わせて対策を考えることが大切です。
自分で気づけるサインはありますか?
歯ぎしりや食いしばりは、無意識に起こることが多いため、自分では分かりにくいこともあります。
ただし、次のようなサインがある場合は注意してみてもよいかもしれません。
- 朝起きたときに顎が疲れている
- こめかみや頬のあたりが張る
- 歯が浮くような感じがする
- 無意識に上下の歯を噛みしめている
- 集中しているときに歯を合わせている
- 家族から歯ぎしりを指摘されたことがある
- 肩こりや頭痛が続いている
こうしたサインがあるからといって、必ず大きな問題があるわけではありません。
ただ、矯正治療中で気になる症状がある場合には、相談のきっかけになります。
矯正中に自分でできる対策はありますか?
はい、日常生活の中で意識できることもあります。
1. 日中の食いしばりに気づく
日中の食いしばりは、無意識に続いていることがあります。
仕事や家事、勉強などに集中しているときほど、上下の歯をぐっと合わせてしまう方もいます。
本来、何もしていないときは上下の歯は少し離れているのが自然です。
まずは「今、噛みしめていないかな」と気づくことが大切です。
2. 顎や肩の力を抜く
食いしばりが強い方は、顎だけでなく首や肩まわりにも力が入りやすいことがあります。
深呼吸をしたり、少し肩を回したりして、全身の緊張をゆるめることも役立ちます。
3. 寝る前の緊張を減らす
寝ている間の歯ぎしりは自分で止めるのが難しいですが、就寝前にリラックスする時間をとることは大切です。
4. 気になる症状をメモしておく
- 朝に顎が疲れる
- 調整後に症状が強い
- 特定の時間帯に食いしばりやすい
など、自分の感覚をメモしておくと、相談時に役立ちます。
ナイトガードを使っている方は、矯正中の対策を見直す必要があります

もともと歯ぎしりや食いしばりの対策として、ナイトガードを使っている方もいらっしゃいます。
ただし、矯正治療中は歯並びや噛み合わせが少しずつ変化するため、これまで使っていたナイトガードが途中で合わなくなることがあります。
つまり、矯正中は「今まで通りナイトガードを使えば大丈夫」とは限りません。
治療の進行に合わせて、その時点でどの対策が適切かを考える必要があります。
矯正中の歯ぎしり対策として、咬筋ボツリヌストキシン注射が選択肢になることがあります

歯ぎしりや食いしばりが強い場合には、対策のひとつとして咬筋ボツリヌストキシン注射(保険適応外)が選択肢になることがあります。
咬筋ボツリヌストキシン注射は、咬む力に関わる筋肉の働きをやわらげることで、歯ぎしりや食いしばりの力を弱めることを目的に行うことがあります。
その結果として、
- 歯への負担を減らす
- 歯を支える歯槽骨への負担をやわらげる
- 顎まわりの筋肉の緊張を軽くする
- 食いしばりに伴う肩こりや頭痛の軽減につながることがある
といったことが期待される場合があります。
矯正治療中は、歯が動いている時期でもあるため、強い歯ぎしりや食いしばりが気になる方にとって、こうした方法を検討することが役立つことがあります。
ボツリヌストキシン注射は、定期的に評価しながら行うことがあります
咬筋ボツリヌストキシン注射は、永続的なものではないため、必要に応じて定期的に評価しながら行うことがあります。
目安としては、3〜6か月ごとに状態を確認しながら、継続するかどうかを判断していくことが多いです。
つまり、一度行って終わりというより、
矯正治療の進み方や歯ぎしりの強さに合わせて、無理のない形で調整していく対策として考えると分かりやすいです。
このように、矯正中の歯ぎしり対策は、その時々の状態に合わせて考えることが大切です。
矯正中は、ボツリヌストキシン注射と他の対策を併用することもあります
歯ぎしりや食いしばりへの対策は、ひとつだけとは限りません。
矯正中は、
- 日中の食いしばりに気づく工夫
- 生活習慣の見直し
- 顎まわりの緊張への配慮
- 必要に応じた医療的対応
などを組み合わせて考えることがあります。
つまり、ボツリヌストキシン注射だけで完結するというより、矯正治療中の状況に合わせて併用しながら調整していくイメージです。
矯正治療が終わったあとは、整った噛み合わせでナイトガードを作ることがあります
矯正治療中は歯並びが変わっていくため、既存のナイトガードが合わなくなることがあります。
一方で、矯正治療が終わって噛み合わせが整った後には、その新しい噛み合わせに合わせてナイトガードを作製していくことがあります。(保険適応)
この段階になると歯並びが安定しているため、矯正中よりもナイトガードが合わせやすくなります。
保険適用の扱いについては症状や診断内容によって異なるため一概には言えませんが、矯正後に必要に応じてナイトガードを検討する流れは現実的な選択肢です。
つまり、
- 矯正中はナイトガードが使いにくいことがある
- 矯正中は別の対策を検討することがある
- 矯正後は整った噛み合わせに合わせてナイトガードを考える
という流れで対策していくことがあります。
歯ぎしりや食いしばりがあるときは相談した方がいいですか?
はい、気になるときは相談した方が安心です。
特に、
- 装置が外れやすい気がする
- 強く噛みしめている感じがある
- 朝の違和感が続いている
- 歯や顎の疲れが気になる
- 肩こりや頭痛もある
- ナイトガードが合わなくなった
といった場合には、一度確認してもらうと安心です。
矯正治療中は、歯の動きによる違和感と、歯ぎしりや食いしばりによる症状が重なって分かりにくいこともあります。
だからこそ、気になることをそのままにせず、相談しながら進めることが大切です。
矯正治療中でも必要以上に心配しすぎなくて大丈夫です
ここまで読むと、不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、歯ぎしりや食いしばりがあるからといって、すぐに矯正治療ができないわけではありません。
大切なのは、
- 自分の状態に気づくこと
- 気になる症状を我慢しすぎないこと
- 必要なときに相談すること
- 矯正中と矯正後で対策を分けて考えること
です。
矯正治療中に起こることを事前に知っておくことで、過度に不安にならず、落ち着いて治療を続けやすくなります。
矯正中の不安がある方は、まずは相談だけでも可能です
矯正治療中の歯ぎしりや食いしばりについて、
- 装置への影響が心配
- 歯や歯槽骨への負担が気になる
- 肩こりや頭痛も気になる
- ナイトガードが使えなくなって困っている
- ボツリヌストキシン注射のような対策が合うのか知りたい
という方は、まずはお気軽にご相談ください。
当院では、お口の状態だけでなく、日常生活の中で気になっていることも伺いながら、無理なく治療を続けられるようにご説明しています。
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