舌側矯正学会(JLOA)主催のリンガルSetupセミナーに、舌側矯正認定医として参加しました。
舌側矯正では、最終的な歯の位置だけでなく、治療中の力のかかり方や装置の特性を考慮した配列設計が重要です。さらに、本記事では舌側矯正特有のオーバーコレクションや、CTを用いた歯根への配慮、ワイヤーベンドの考え方について解説します。

舌側矯正(裏側矯正)は、
見た目の自然さという大きなメリットがある一方で、
治療計画や装置設計、歯の配列において
非常に高い精度が求められる治療法です。
今回のセミナーでは、
舌側矯正における Setup(歯の配列設計) の重要性を
改めて深く学ぶ機会となりました。
舌側矯正(裏側矯正)認定医としてリンガルSetupセミナーに参加しました
私は、舌側矯正(裏側矯正)を専門に行う
舌側矯正認定医として日々診療にあたっています。
今回のリンガルSetupセミナーでは、
舌側矯正特有の歯の動かし方や設計思想について、
基礎から応用までを体系的に学ぶことができました。
日常臨床で行っている内容を振り返りながら、
より精度の高い治療につなげるための
多くの気づきを得る時間となりました。
舌側矯正は「並べ方」が表側矯正と同じではありません
矯正治療では、
最終的な歯の位置を想定しながら歯を動かしていきます。
しかし舌側矯正では、
表側矯正と同じ考え方では対応できない点が多くあります。
単に歯をきれいに並べるだけでなく、
-
治療中の力のかかり方
-
舌側装置ならではの特性
-
最終的な噛み合わせの安定性
までを考慮した配列設計が必要になります。
舌側矯正特有の「オーバーコレクション」という考え方
舌側矯正では、
治療途中の変化を見越して
あらかじめわずかにオーバーコレクションを加えた配列を行うことがあります。
これは、
-
治療中に起こりやすい歯の戻り
- 舌側矯正特有の歯の動きへの補正
-
治療後の歯列の安定性
を見据えた、舌側矯正ならではの考え方です。
こうした設計は、
Setupの段階でどれだけ丁寧に検討できるかが非常に重要になります。

ボーイングエフェクトを防ぐための配列設計
舌側矯正では、
歯列全体が弓状に変形してしまう
ボーイングエフェクトにも注意が必要です。
歯の位置関係や力の方向を細かく確認しながら、
無理な力がかからないよう
配列を慎重に検討していきます。
Setup段階での配慮が、
治療中のトラブルを防ぐことにもつながります。
CTデータを重ね合わせた歯根への配慮
当院では、歯の表面だけでなく、
CTデータを用いて歯根や骨の状態も確認しながら
治療計画を立てています。
-
歯根の向き
-
歯の移動量
-
骨との位置関係
を総合的に確認することで、
歯根に過度な負担がかからないよう配慮した治療を心がけています。
舌側矯正はワイヤーベンドの難易度が高い治療です
舌側矯正では、
ワイヤーを調整できるスペースが
表側矯正よりも狭くなります。
そのため、
-
力の強さ
-
力の方向
-
調整のタイミング
を、限られたスペースの中で
より細かくコントロールする必要があります。
わずかな違いが歯の動きに影響するため、
細かな微調整を繰り返しながら治療を進めていくことが
舌側矯正では特に重要になります。
舌側矯正(裏側矯正)認定医として、一つひとつの設計を大切にしています
舌側矯正は、
-
Setup(歯の配列設計)
-
装置設計
-
ワイヤー調整
といった、
一つひとつの工程の積み重ねによって成り立つ治療です。
今回のセミナーは、
これまでの20年の臨床経験を振り返りながら、
設計の考え方を改めて整理する良い機会となりました。
これからも、
見た目の自然さだけでなく、
噛み合わせや将来の安定性まで考えた舌側矯正治療を
舌側矯正認定医として丁寧に行っていきたいと考えています。
→当院の舌側矯正(裏側矯正)については、こちらのページで詳しくご紹介しています。
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